東海北陸理学療法学術大会誌
第25回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: C-3
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腰椎すべり症・左下肢痺れを呈し、Spine dynamics療法が奏効した症例
*勝井 洋遠藤 瞳後藤 聡鳥居 滋志
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抄録

【患者情報】患者は70歳女性.疾患は腰椎すべり症で左下肢の強いしびれを呈していた.右膝のTKAオペ目的で入院しROM制限・荷重困難等無く経過したが、本人は左下肢のしびれの訴えにより退院を拒否された。その後、しびれに対するアプローチを中心に行うこととなった。
【評価結果】主訴は左大腿外側・下腿外側上1/3~外果のしびれであった.MRIより,L4前方すべり,下部腰椎椎間板の後方膨隆がみられた.整形外科的テストでは,SLR ・FNSTともに陰性であった.脊椎アライメントは胸腰椎彎低下,腰椎前彎低下がみられた.また腹筋MMTは3であった.
【治療歴】エクササイズ指導として,Spine Dynamics療法の四股で仙腸関節の上方すべりを促し,四股捻転で仙腸関節上部離開,肩甲骨・胸椎柔軟性改善を促した.脊椎彎曲支持の為の脊椎抗重力筋強化として立位体幹深部筋強化を行った.治療開始初日は下腿の痺れの範囲は外果~上20cmで強さは5/10であったが,開始8日目には痺れの範囲は外果周囲のみで強さは1/10まで改善した.しびれが軽減し、本人も不快感が気にならないレベルとなり,今回の指導後9日目に退院した。
【考察】脇元の提唱するSpine Dynamics療法は,脊椎の支持性を骨性から筋性へと促し,脊椎の彎曲運動を促し脊椎以下の関節への負担を軽減することを目的としている.今回の症例も脊椎の柔軟性低下により脊椎の荷重緩衝作用が低下し仙腸関節への負担が増大したと考えた.今回の症状は博田による仙腸関節機能異常の診断基準に一致しており,関連痛によるしびれの可能性もあると考えた.そこで脊椎柔軟性を確保し,脊椎の彎曲支持の為の抗重力筋トレーニングを行うこととした.
【まとめ】しびれの症状に対し,MRI所見や整形外科テストの結果と症状の一致しない症例に遭遇することがある.このような症例に対し,脊椎支持性からの評価・考察を加えることで,原因を探ることが出来る可能性があると考えた.

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© 2009 東海北陸理学療法学術大会
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