抄録
【はじめに】〈BR〉地下道の主な目的は、交通量の多い道路を人が横断する場合に交通事故を防止し、人の安全を守るとともに車の交通を妨げないよう、相方の通行の便利を図ることである。しかし、安心・安全に横断ができる「バリアフリー(以下BF)な地下道」には障壁が存在する。〈BR〉実際に地下道の利用状況を調査し、そのユニバーサルデザイン(以下UD)化を検討する。〈BR〉【方法】〈BR〉大垣市ヤナゲン本店前交差点と岐阜市丸昌スポーツ前交差点は、駅と中心市街地を結ぶ横断歩道と地下道の両方がある比較可能な交差点である。これら2つの交差点に於いて、地下道と歩道の利用者数を調査した。中心市街地の交通量調査より、健常者が利用する通勤時間帯を除く、多様な歩行者が利用する土曜日と日曜日の13時から14時の時間帯とした。調査日は6月6日(土)と7日(日)とした。大垣と岐阜の群に分け、地下道の利用者についてTukeyの多重検定(有意水準5%未満)を行った。〈BR〉【結果】〈BR〉大垣市ヤナゲ本店前は歩道利用者89.04%、地下道利用者が92.70%であった。岐阜市丸正スポーツ前は歩道利用者89.04%、地下道利用者が7.30%であった。(図1)〈BR〉検定の結果は、岐阜と大垣の地下道の利用者は同様で、地下道の利用者が少ないこといえる(p<0.001)。〈BR〉【考察】〈BR〉地下道は安全確保というBFであるのにもかかわらず、階段の昇降を必要とし、暗く人目の少ない地下道は防犯上や衛生上の問題がある。中川は、従来のUD7原則これに加え3つの付則を提案している。〈BR〉付則1 長く使えて経済的である〈BR〉付則2 品質が優れていて、かつ美しい〈BR〉付則3 人や環境にやさしい〈BR〉この付則の人にやさしいという点に於いて地下道はUDとして問題がある。〈BR〉鈴木らは、提案・実践型活動が必要であるとし、ヤナゲン本店前交差点のUD化を行った。それは、事故防止という一つの視点から、BFを目指しても地域社会に認知されないことを示した。〈BR〉