東海北陸理学療法学術大会誌
第25回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: O-26
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当院TKA患者における術前と術後早期膝ROMとの関連
*松本 武士中村 和美佐野 光浩堀野 広光高塚 俊行工藤 貴司金子 和代山根 達也千田 亜子
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キーワード: TKA, 術後早期, 膝ROM
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抄録
【はじめに】
TKA術後の膝ROM改善予測因子の1つとして術前膝ROMの影響が報告されているが、術後早期の段階や膝伸展ROMに関する報告は少ない。
そこで今回、術前と術後早期退院時において膝ROMを調査し、術前膝ROM制限が術後早期の膝屈曲・伸展ROM改善に及ぼす影響を検討した。
対象者には研究の趣旨を説明し同意を得た。
【対象・方法】
当院にてTKAを施行した20名・21膝(男性:3名・女性:17名 診断名は全例で変形性膝関節症)。平均年齢:74.6±7.9歳、平均BMI:25.9±4.8%、平均JOA score:60.7±13.2点、平均FTA:186.2±7.9°、OA Grade:Grade3;2膝・Grade4;14膝・Grade5;5膝、平均在院日数:17.8±1.8日。
評価項目は術前・後の膝屈曲・伸展ROMとし、評価は術前と退院日前日に行った。
膝ROMはゴニオメーターにて1度刻みで測定。測定肢位は背臥位とし、2回の測定により誤差を修正した。
得られた結果より、術前・術後膝ROMの相関関係を検討した。
なお、術後感染や体調不良によりリハビリ継続が困難であった者、術後経過がパスから大きく逸脱した者は対象から除外した。
【結果】
術後経過は、対象者全例でT-caneもしくは独歩を獲得し退院となった。
膝屈曲ROMは術前平均123.0±16.1°から術後平均110.0±12.4°となり、r=0.84と正の相関を認めた(p<0.01)。
膝伸展ROMは術前平均-9.5±9.6°から術後平均-8.4±6.9°へ改善し、r=0.74と正の相関を認めた(p<0.01)。
【考察】
本研究より、術前膝ROM制限が術後早期の段階においても改善予測因子となり得る可能性が示唆された。
術前に膝ROM制限が軽度であることは、疼痛や軟部組織による制限因子が少ないことが予測され、術後早期の段階においてもスムーズに膝ROM改善が可能であったと考えられた。
また、早期歩行獲得を目標とする急性期リハビリテーションにおいて膝伸展制限の改善は重要課題であり、術前からの膝伸展制限改善が必要であると考えられた。
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© 2009 東海北陸理学療法学術大会
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