東海北陸理学療法学術大会誌
第27回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: O-28
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変形性膝関節症に対する姿勢矯正体操の有効性についての検証
*山下 正浩村松 完至棚橋 俊人太田 邦昭
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抄録
【目的】
演者の勤務する整形外科では、平成20年より太田の開発した姿勢矯正体操(パピーポジションと背殿位上体起こしの組み合わせ)を様々な症例に対して指導し、一定の効果を体感してきた。 その詳細は、第23回日本臨床整形外科学会において太田らにより報告された。
今回当院で行っている姿勢矯正体操(以下矯正体操)が変形性膝関節症(以下膝OA)と診断された症例に対してどのような効果があるか、従来の大腿四頭筋訓練と改善度比較を行い検証した。
【方法】
膝OAと診断された10例に対して、矯正体操前後に10m通常歩行時間および歩数、10m努力歩行時間および歩数、VAS、加重検査を行った。期間は平成22年6月~平成23年1月。初めて矯正体操を行う者に限った。対象は男女比が1:9、年齢は51~80歳、JCOM平均は60.1。
これを介入群とし、対照群として、膝OAと診断された他10例に同様の検査を、大腿四頭筋訓練前後に行い改善度を比較した。期間は平成23年4月~5月。初めて、もしくは殆ど大腿四頭筋訓練を行っていない者に限った。対照群は男女比が2:8、年齢は56~81歳、JCOM平均は61.5。
加重検査は、ANIMA社製のGRAVICORDER GS31Pを使用した。
矯正体操は、初めにパピーポジションをとり、臍が台から離れないように5秒保持し下ろす。これを5回繰り返す。次に背殿位となり、両手を大腿の上に置き手先が膝蓋に届くまでゆっくり上体を起こしゆっくり下ろす。これを5回繰り返す。
大腿四頭筋訓練は、セッティング法を用い5秒キープを20回行った。
【結果】
前後比では、両群ともに平均値上改善が認められた。介入群では10m通常歩行時間で全例改善。10m通常歩行歩数で全例改善。10m努力歩行時間で9/10例改善。10m努力歩行歩数で8/10例改善。VASで9/10例改善。加重検査の加重バランスで9/10例に左右均等値への改善がみられた。 対照群では10m通常歩行時間で全例改善。10m通常歩行歩数で9/10例改善。10m努力歩行時間で6/10例改善。10m努力歩行歩数で8/10例改善。VASで9/10例改善。加重検査の加重バランスで3/10例に左右均等値への改善がみられた。
改善度の群比較では、全ての検査において介入群が優位であった。中でも10m通常歩行時間、加重検査において対照群より介入群に有意な差が認められた。
【考察】
全項目において膝OAに対する矯正体操の有効性が示された。矯正体操では、パピーポジションにより腰椎の生理的前彎を促し、腸腰筋や腹筋群に対するストレッチ効果が得られたと思われる。また背殿位での上体起こしにより、腸腰筋や腹筋群の活動が再教育され、腰椎の支持性が高まり機能的な腰椎前彎保持に役立ったと考える。これらの効果により、歩容が改善され有効な膝伸展支持が可能となり、膝痛の軽減につながったと考える。具体的には、歩行時の立脚中期から立脚後期がより速やかに行えるようになったと推察する。
改善度の差は立位バランスの矯正といった点において介入群に、より有効に働いたと思われる。
特に通常歩行や立位バランスなどの、ほぼ無意識下で行われる動作において顕著に有効性が示されたといえる。
【まとめ】
膝OAに対して姿勢矯正体操を行う事は有効であると考える。体操は2種類の運動であり、その動作も簡便であるため覚え易く、即効性により理解も得られ易い。
今後、膝OAのリハビリプログラムを作成するにあたり、姿勢矯正体操を組み合わせる事でより大きな効果が得られる可能性が示唆された。
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© 2011 東海北陸理学療法学術大会
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