霊長類研究 Supplement
第22回日本霊長類学会大会
セッションID: P-11
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ポスター発表
ニホンザル集団における長期間の毛づくろいパートナー関係
*中道 正之山田 一憲
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抄録
ニホンザルの非血縁メス間に長期的な毛づくろいのパートナー関係が存在するかどうかを検討するために、勝山ニホンザル集団で2003年に記録した16歳から32歳の18頭のオトナメスの毛づくろいを10年前の1993年に記録した毛づくろいのデータと比較した。
2003年に、18頭のそれぞれのメスは、1993年に毛づくろい交渉が記録された非血縁メス(生存している古い毛づくろいパートナー)の2.2頭(平均)と依然として毛づくろい交渉を行っていた。これらの古いパートナー間での毛づくろいは、順位が近い個体間、そして年齢の近い個体間で継続する傾向があった。また、実際に毛づくろい交渉を持った相手数をありうる個体数で除した値を指標に用いたとき、18頭のメスは、古い毛づくろいパートナーを、他の非血縁メスよりも、毛づくろい相手としてより選択する傾向が認められた。また、これらの18頭のメスは、古い毛づくろいパートナーの近縁メスをそれ以外の非血縁メスよりも、毛づくろい相手に選択する傾向も確認された。これらの事実は、ニホンザルメスの毛づくろいが基本的には、保守的であることを示唆している。しかし一方で、18頭のメスは10年前に毛づくろい交渉の無かったメスとも毛づくろい交渉を行っていた。
ニホンザルは、長期にわたり特定の非血縁メスとの毛づくろい関係を維持すると同時に、そのような特定のメスの血縁メスとの毛づくろい交渉へと発展すること、さらに、全く新規な個体との毛づくろい交渉を新しく展開できることも明らかとなった。
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© 2006 日本霊長類学会
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