抄録
糖鎖生物学および糖鎖工学に対する注目は増大している。筆者は主として複合糖質糖鎖の合成と機能解析を目指した研究を行ってきた。このミニレビューでは、過去12年を振り返り、その間の研究を総括したい。代表的なテーマとして、1)アスパラギン結合型糖鎖の合成、2)新規糖タンパク質構造の合成、3)高分子担体を用いる糖鎖合成法、4)糖タンパク質関連化合物の合成における新規手法の開発、 5)糖タンパク質の合成研究、 6) 糖タンパク質プロセシングと品質管理過程の解析、7)糖転移酵素阻害物質の合成、8)生物活性糖脂質の合成、9)結核菌表層構造体の合成と生物活性、を取り上げる。