時間学研究
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2023年7月の梅雨前線に伴う豪雨の時空間的特徴と久留米市田主丸町で発生した土石流・洪水災害の概要
山本 晴彦古場 杏奈
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2024 年 15 巻 p. 77-111

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抄録
 2023年7月10日未明から昼前にかけて梅雨前線の活動が活発となって線状降水帯が発生し,福岡県や大分県では大雨特別警報を発表するなど記録的な大雨となった。福岡県南部の筑後地方に位置する耳納山地の発心北の雨量観測所では,9日0時からの積算降水量が約500mmに達した10日9時30分頃,雨量観測所から北西2kmに位置する久留米市田主丸町の竹野地区を流れる千ノ尾川で土石流が発生し,死者1人,重傷者1人,建物被害が約50棟弱にも及ぶ甚大な被害が発生した。田主丸町の市街地では,筑後川支川の巨瀬川の外水氾濫,耳納山地からの雨水の流下による内水氾濫により,田主丸町総合支所をはじめ,公共施設,医療機関,店舗,住宅などが床上・床下浸水の被害に見舞われ,洪水浸水想定区域(想定最大規模)に指定されたエリア内で発生していた。
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