カーボンニュートラル(脱炭素)を実現するエネルギーシステムの中心になるのは、クリーンで効率的な利用ができる二次エネルギー媒体であり、現状では電気、将来的には燃料・熱利用として水素が活躍する。電気や水素の生産はCO2 排出なしに行われる必要があり、再生可能エネルギーや原子力などに加えて、CCUS(CO2 回収・利用・貯留)付きの化石資源の利用も想定される。需要側の対策も重要であり、ソサエティ5.0などの社会イノベーションにより需要側の分散資源の活用やシェアリング・サーキュラーエコノミーを実現すれば、情報によるエネルギー・物質の代替で大幅なCO2 削減が期待できる。このような需給両面からの対応でもゼロにできない温室効果ガス排出に対しては、植林やDAC(大気からのCO2 回収)、CO2 の鉱物固定化など、大気中のCO2 を削減する技術も備えておく必要がある。