抄録
第3次植物工場ブームと言われる現在,植物工場事業へ参入する企業が増加し,完全人工光型植物工場の数も増えてきた.植物栽培にあたって重要な要素となる環境制御技術は,照明,空調などで構成されるが,空調に関してはイニシャルコスト削減が主な目的でパッケージ方式のエアコンを使用されることが多い.本報では完全人工光型植物工場空調の現状を空調方式や要求されている事項,負荷特性などから述べる.また,実際の完全人工光型植物工場の空調環境を計測して分析した結果より,植物工場特有の負荷条件とそこで使用されている空調機との組み合わせによる課題が発生していることが分かったので,今後の取り組み課題と併せて述べる.