ゴマサバにおける鮮度および凍結温度が凍結貯蔵中の氷結晶生成に及ぼす影響を調べた.漁獲後,冷却貯蔵期間を変えて鮮度の異なる試料を調製し,-20 ℃,-30 ℃および-60 ℃で凍結し,それぞれを凍結と同じ温度で1 か月間貯蔵した.筋肉中に生成した氷結晶の大きさは,鮮度の良い試料を凍結したものほど小さく,凍結温度の低いものほど小さかった.氷結晶の大きいものほどドリップ量は多く,両者には正の相関がみられた.また,鮮度の悪い試料は,低い温度で凍結しても氷結晶は比較的大きく,ドリップ量も多いことが判明した.