抄録
フィンチューブ熱交換器の強制対流下の除霜において,霜および融解水から構成される霜層の水分分布を中性子ラジオグラフィにより測定した.10 分間の除霜間の5 秒ごとの水分分布を定量評価した.さらに除霜開始時における水分分布との差を求めることで,融解水のフィン面方向の挙動を観察した.除霜初期の状態は,融解水が霜層厚み方向に浸透する融解進行期間であり,融解水の熱交換器のフィンの面方向の移動は観察されなかった.フィン前端部やチューブ周囲の融解が始まると,水分浸透層が飽和するためフィン面方向に融解水が浸透する様子が観察された.フィンの面方向の融解水移動は全着霜量の約30%であった.