抄録
本研究では,吸着ヒートポンプの低温駆動特性に特化した二段式システムについて検討した.一段目にゼオライト吸着材FAM-Z05,二段目に活性炭吸着材を用いることで,50 0C 以下の低温廃熱でも 15 0C の冷熱生成可能なシステムを提案する.吸着材と熱交換器を一体とした吸着コアを用いた実験検討により,本システムでは,50, 45 0C の低温廃熱条件において,冷熱出力密度は単段式システムより高い値が得られ,各過程での吸着速度もほぼ等しく冷凍サイクルを構成できることが分かった.また, 二段式システムのCOP は,廃熱を二回投入するため,単段式システムより低い.本システムでは吸着コアの投入顕熱量の差が生じるため,得られるCOP は45 0C の条件の方が高いことが分かった.