熱音響現象とは,熱エネルギーと音響エネルギーが相互に変換される現象である.熱音響デバイスは外燃機関の一種であり,熱源を選ばないという特徴がある一方,機関内への入熱方法が効率を大きく左右する.本研究では,熱音響原動機のための効率的な入熱方法として,太陽光のふく射伝熱による入熱に注目した.原動機を石英ガラスで製作し,パラボラ反射鏡を用いてスタック端面へ太陽光を集光することで直接加熱を実現している.今回は,材質と流路形状が異なるスタックを準備し,スタック両端の温度差やスタック内部の温度勾配,発生音波の圧力を測定した.ふく射による入熱を行う場合,低流体抵抗かつ高比表面積を有するスタックが適している.