日本冷凍空調学会論文集
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原著論文
矩形流路におけるマイクロカプセルスラリーの 上面・下面加熱時の熱伝達特性
堀部 明彦Hyungsup IM山田 寛春木 直人
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2017 年 34 巻 4 号 p. 353-

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抄録

本研究では潜熱蓄熱物質を内包したマイクロカプセルと水を混合させたマイクロカプセルスラリーを用いて, 強制対流と自然対流が共存する複合対流の熱伝達特性を検討した. 矩形断面流路の上面加熱条件の場合, 相変化による潜熱の影響により平均熱伝達率がやや増加した. 一方, 下面加熱条件の場合, 相変化により上流側の局所熱伝達率が増加した. また, 下面加熱条件では修正レイノルズ数の増加にかかわらず平均ヌセルト数はほぼ一定値を示し, 本実験条件での複合対流では自然対流による影響が強いことが示された. さらに, 相変化によって密度が低下したことでレイリー数が増加し, それに伴い平均ヌセルト数がやや増加しており, 相変化による潜熱の影響に比べて, マイクロカプセルスラリーの密度差により自然対流熱伝達が促進されることが明らかになった.

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© 2017 公益社団法人 日本冷凍空調学会
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