微細流路内の伝熱特性把握を目的として,気液二相流数値解析を行った.数値解析は主に低乾き度域での流動様式であるスラグ流を対象とし,水-空気および冷媒R32 を作動流体とした.本研究では,微細流路内の沸騰伝熱で支配的な管壁と気体プラグ間の液膜蒸発熱伝達の解析に向けて,界面捕捉法のひとつであるVOF 法を用いて気体プラグと流路壁面との間の液膜厚さを解析し,文献および実験結果と比較した.その結果,スラグ流において数値解析により求めた液膜は良好に実験結果を再現した.また,解析により求めた液膜厚さと既存の沸騰熱伝達の整理式を組み合わせることにより,複雑な相変化現象を直接解析することなく,熱伝達率を予測できる見通しを得た.