冷媒用圧縮機は,起動直後に圧縮機内部が減圧し,油に溶解していた冷媒液が,急激に気化して発泡するため,定常運転時に比べて油吐出量が多くなる.さらに横置きの圧縮機は,モーター回転子による撹拌や冷媒ガスによる油面の巻き上げで油吐出量が大幅に増加する.本研究では,油分離器を用いた油吐出量測定システムを構築するとともに,圧縮機内部の油面挙動を可視化することで,起動直後の過渡的な油吐出の特性を評価した.さらに本評価技術を用いて,圧縮機吸入側の圧力が異なる起動条件で,油吐出量と油面挙動を比較評価し,過渡的な特性の差異を明らかにした.