日本冷凍空調学会論文集
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原著論文
少水量対応地中熱ヒートポンプビルマルチシステム 設計・性能予測ツールの開発とその応用
葛 隆生中村 靖長野 克則阪田 義隆
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2018 年 35 巻 4 号 p. 313-

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抄録

本論文では,地中熱ヒートポンプ(GSHP)システムにおいて,一次側の循環ポンプに変流量制御を,二次側にビルマルチシステムを採用した,少水量対応地中熱ヒートポンプ(LF-GSHP)ビルマルチシステムの搬送動力削減効果を予測できるシミュレーションツールを開発した.まず,システムを構成する水冷ビルマルチヒートポンプの計算モデルと,変流量制御に対応した循環ポンプの計算モデルについて示した.次に,開発した性能予測ツールをフィールド試験結果によって検証した.さらには,負荷変動の大きい中規模の病院建物を対象として,LF-GSHP ビルマルチシステムと従来のGSHP システムの年間の運転シミュレーションを行った.一次側・二次側共に定流量の循環ポンプを導入した従来のGSHP システムと比較した場合の,LF-GSHP システムの循環ポンプの消費電力量削減効果は,暖房期間で約91%,冷房期間で約92%となり,これにより搬送動力低減効果を確認することができた

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© 2018 公益社団法人 日本冷凍空調学会
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