往復動圧縮機の小端部軸受は揺動摺動面であり,摺動速度がゼロとなる瞬間を有するため,クランクシャフト等の回転摺動面に比して,潤滑状況が悪化しやすい状況にある.圧縮機の高効率化,信頼性確保のためには,こうした潤滑状況の悪い摺動面の特性分析,改良が重要となる.本研究では,冷蔵庫用往復動圧縮機に用いられる小端部軸受を対象に,その摩擦特性および油膜形成状態の分析を要素試験で実施し,軸受構造,形状と摩擦特性との関係を明らかにした.また,新規の低摩擦化構造を要素試験において効果検証を行い,その有用性を示した.