本研究では,家庭用スプリット空調機からR 290 が室内に漏洩したときの挙動を数値流体解析した.解析モデルおよび計算手法の妥当性の検証のために,壁掛け式室内機からの漏洩実験を行った.研究の目的は,エアコン室内機から冷媒が漏洩したときの安全を確保するため,冷媒漏洩時の室内機ファンの稼働の必要性を評価することである.壁掛け式室内機または床置き式室内機からの漏洩に関して,それぞれ斜め下~下方に,また上部から45 度程度上方に吹き出すことが有効であることが分かった.ファン風速に対する部屋面積の影響については,室内循環流を形成しやすい方向にファン気流を吹き出す工夫をすれば,同程度のファン風速で可燃域を消滅させることができることが分かった.