論文ID: 24-11HE
水平設置された断面積2 mm × 2 mm の矩形微細流路における水の流動沸騰様相を2 台の高速度カメラで撮影し,同時に高速度赤外線(IR)カメラで熱伝達変動を高時空間分解(4000 fps,25 μm/pixel)で測定した.本測定を実現するために,フッ化カルシウム(CaF2)に酸化インジウムスズ(ITO)膜を成膜した測定面を作製し,矩形流路の底面に設置した.さらに,高速度IR カメラで測定したITO 膜の温度分布を境界条件とした測定面内の非定常三次元熱伝導解析を行い,測定面内部への非定常な熱損失を評価した上で,壁面熱流束の時空間変動を算出した.質量流束100 または200 kg/(m2·s),壁面熱流束20 kW/m2 の条件において,流動様相をスラグ流から環状流にかけて変化させ,測定を行った.その結果,各流動様相に応じた高速かつ複雑な熱流束変動を明瞭かつ定量的に測定することができた.