2024 年 16 巻 2 号 p. 81-90
大規模なマラソン大会やウォーキング大会において,スタート時の混雑を緩和するために,従来のスタート方式であるマススタートではなく,グループを形成して連なる波のようにスタートするウェーブスタートを採用する取り組みが試行的に進められている.本論文では,歩行者の振る舞いを記述する微視的モデルと巨視的モデルを相補的に利用することで,大規模なウォーキング大会における参加者が感じるイベント満足度を最大化する,群集スタート方式についての網羅的な探索を実施した.その結果,ウェーブスタートにおいて,ウェーブの配置形態やスタートのタイムラグをどのようにすべきかを定量的に明らかにした.