特殊教育学研究
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精神薄弱養護学校における合奏指導の計画と意義 : 高等部合同合奏「ちちんブイブイ」(ショスタコービチ/交響曲第7番「レニングラード」第1楽章より)の実践
齋藤 一雄
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1992 年 30 巻 3 号 p. 21-26

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抄録

養護学校高等部において、行事に向けた合奏の指導計画とその指導、そして実際にどのような意義があるかを実践を通して明らかにすることを目的とした。そして、高等部段階の生徒を対象に、学習発表会に向けた合奏の指導経過を分析した。その結果、合奏の指導計画を立てる上では、帯状に活動計画を立てる、生徒の実態にあった選曲と編曲をする、部分練習と全体練習の連関をはかる、高等部の教育目標から内容をおさえる大切さが示唆された。合奏の意義は、みんなで作り上げたという経験、それぞれの役割の遂行、音と気持ちを合わせる、準備・かたづけや演奏での協力、成功感・満足感をもたらすことなどが確認された。これらの意義は、音楽的な意義だけではなく、これから社会に出ていく高等部生徒にとって社会的な意義もあわせ持っていると考えられる。

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© 1992 日本特殊教育学会
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