特殊教育学研究
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知的障害幼児・生徒の保護者支援における保護者の負担軽減の検討 : 物理的手がかりを主とした支援手続きおよび保護者による行動記録を中心に
神山 努野呂 文行
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2010 年 48 巻 4 号 p. 311-322

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抄録

本研究は、知的障害がある幼児・生徒2名の保護者支援において、保護者に過剰な負担がかからない支援手続きの検討を目的とした。具体的には、保護者が実施しやすい支援手続きとして、日常生活内で実施可能な物理的手がかりの用意を主とした手続きをアセスメントから立案し、保護者に教授した。また、保護者に対象児の行動記録を依頼することによる、保護者の支援行動の変容もあわせて検討した。その結果、支援手続きを立案し、保護者に教授した場面において、いずれの対象児も標的行動の生起が上昇し、保護者の記録行動も維持された。さらに、1名の対象児について、支援手続き教授後に、別場面においても保護者に記録依頼をすることで、保護者の物理的手がかり用意行動や記録行動の自発がみられた。また、社会的妥当性の評定結果から、いずれの保護者もプログラムを肯定的に評価していることが示された。

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© 2010 日本特殊教育学会
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