抄録
通級による指導における特別の指導は、自立活動を原則としているため、学級担任教師の自立活動の指導への関与が求められる。本稿では、通級による指導が制度化された1993年4月、および通級による指導の対象となる障害が拡大された2006年4月を境に、3つの時期区分を設定し、自立活動の観点から研究の動向を概観した。その結果、いずれの時期においても、通級指導教室における指導の内容や方法を取り上げた研究は数多く行われていたが、自立活動の指導において重視される学級担任教師や関係者との連携に関する研究はごく限られていた。さらに、通級による指導が制度化された当初から、通級担当教師の専門性と研修の充実が求められていたものの、通級担当教師の研修を取り上げた研究も少なかった。今後は、学級担任教師や関係者と協働的に課題解決できる専門性の涵養を視点とした、現職教員研修に関する研究が求められる。