特殊教育学研究
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聴覚障害児の作文における評価観点の重要度に関する研究 ―教員の担当学部・経験年数との関連―
新海 晃澤 隆史
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キーワード: 聴覚障害児, 作文, 評価
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2018 年 56 巻 3 号 p. 135-145

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抄録

本研究では、聾学校教員が重視する聴覚障害児の作文評価の観点について検討することを目的とした。全国の聾学校103校の教員に対して、聴覚障害児の作文評価に関する69項目について、5件法によりその重要度を評定させる質問紙調査を実施した。415名の回答から因子分析により作文評価の観点を抽出した結果、54項目からなる聾学校教員による7つのおもな評価の観点が示され、先行研究と比較し妥当性のあるものと考えられた。また、抽出された7つの評価観点の重要度を学部間および教員経験年数間で比較したところ、学部間で評価観点の重要度に差異のあること、評価観点の重要度は教員経験年数にかかわらず一貫していることが明らかとなった。これらの結果から、本研究で明らかとなった観点の作文評価における有用性が示唆された。今後は、今回抽出された7つの観点を用いた作文評価を行い、作文指導における7つの観点の有効性について検討する必要があると考える。

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© 2018 日本特殊教育学会
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