特殊教育学研究
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原著
自閉スペクトラム症児における行動問題と保護者のニーズ ―保護者のストレス対処力の影響を含めて―
岡村 章司井澤 信三宇野 宏幸
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2019 年 57 巻 3 号 p. 149-158

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抄録

本研究では、自閉スペクトラム症(以下、ASD)児の行動問題と知的障害の有無、次に、行動問題と保護者のストレス対処力(Sense of Coherence; SOC)をもとにした、保護者のニーズの違いを検討した。419名に質問紙を配布し、小・中学生のASD児をもつ保護者104名を対象とした。その結果、行動問題高群の保護者はすべてのニーズが高かった。特に、知的障害のない行動問題高群の保護者は、「他者への説明方法に関するニーズ」が高く、「家族関係に関するニーズ」と相関があった。このことから、保護者自身や家族に関する支援、および関係者への子どもの状態に関する説明を可能にする支援が重要であると示唆された。 さらに、SOCの把握可能感が低い行動問題高群の保護者は、「情報に関するニーズ」と「他者への説明方法に関するニーズ」が高かった。このことから、行動問題の知識や技術を提供しながら理解を高め、保護者のストレスに配慮しながら日々の状況の観察、記録を促す支援が必要とされると考えられた。

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© 2019 日本特殊教育学会
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