抄録
症例は45歳,男性.32歳時に2型糖尿病発症.43歳時に左足底第1趾根部の疣贅状角化病変をカミソリで削り大量に出血.その後,疣贅状角化病変は左足全体に広がり象皮様皮膚の様相を呈したが放置.45歳時,貧血の進行にて近医受診し,糖尿病足壊疽の診断にて当院入院.創部培養の結果,Prevotella melaninogenica (P.melaninogenica)を含む混合感染を認めた.頻回のデブリードメント,広域スペクトルを有する抗生物質による感染コントロール,強化インスリン療法による血糖コントロールを行い,局所血流良好のため左足部分切除を施行.その後,創部は閉鎖し社会復帰を果たした.本例の象皮様皮膚角化はVerrucous skin lesions on the feet in diabetic neuropathy (VSLDN)に類似し,長期間の不潔な環境,慢性的な足への刺激が原因と考えられた.また,P.melaninogenicaは糖尿病足壊疽の起炎菌として報告が少なく貴重な症例と考えられた.