糖尿病
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原著
成人1型糖尿病におけるインスリングラルギンの12カ月間の使用経験
本田 律子吉田 洋子原 陽子川合 厚生北里 博仁菅澤 源野田 光彦菊池 方利赤沼 安夫
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2007 年 50 巻 1 号 p. 17-23

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抄録
日本人1型糖尿病患者41名(男19, 女22, 平均年齢47.4±16.0歳,Body mass index 21.9±2.20 kg/m2, 平均罹病期間149.4±93.6カ月)にインスリングラルギン(以下グラルギン)を12カ月間使用した.変更12カ月後のHbA1cには変更前と差を認めなかった.1日2回以上NPHインスリンを注射していた25名中18名が,グラルギンに変更後に注射回数が減少した.変更後1日あたりのインスリン使用量は,変更直前の37.4±13.9単位から12カ月後には35.7±12.9単位へと減少した.1日に使用するインスリンに占めるNPHあるいはグラルギンの量比は欧米の報告よりも小さかった.また,体重には有意な変化はみられなかった.しかし,グラルギンに変更後は重症低血糖や就寝中低血糖の頻度が減少した.日本人1型糖尿病のインスリン治療にグラルギンは,注射回数の減少,重症低血糖の減少などの利点があると考えられる.
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© 2007 一般社団法人 日本糖尿病学会
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