糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
原著
インタクトプロインスリン/インスリンモル比の特徴と臨床的意義(その2)
—2型糖尿病患者における各種パラメータとの相関解析および経口血糖降下薬の影響—
河津 捷二矢澤 麻佐子今井 康雄堀江 均久野 義和小山 雄平石田 均小澤 幸彦鈴木 清岩本 安彦佐倉 宏金澤 康徳河盛 隆造内野 泰小林 哲郎会田 薫伴野 祥一長坂 昌一郎松葉 育郎丸山 太郎税所 芳史葛谷 健
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 52 巻 7 号 p. 547-554

詳細
抄録
2型糖尿病患者のインタクトプロインスリンに対するインスリンのモル比(以下P/I比)について,各種パラメータとの関係を単相関および多変量解析を行った.また,要因別の測定値比較も行った.単相関解析では,P/I比はHOMA-βおよびInsulinogenic Indexと強い負の相関を認めた.多変量解析では,インスリンはBMIと,インタクトプロインスリンは空腹時血糖およびBMIとの間に各々有意な関係を,そしてP/I比はこれらに加えて罹病期間との間にも有意な関係を認めた.要因別比較では,家族歴あり群と糖尿病合併症あり群で,各々なし群に比し有意に高値を示した.糖尿病治療法別群間の比較では,P/I比は食事運動療法群に比しグリベンクラミド群,グリメピリド群で有意に高値を示した.以上,空腹時P/I比は,膵β細胞機能を評価する簡便で有用な指標であると考えられた.
著者関連情報
© 2009 一般社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top