糖尿病
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原著
ヘマトクリット補正機能を持つ簡易血糖測定器の精度評価における人工検体使用の妥当性の検討
鈴木 浩藤田 浩西村 滋子加藤 みよ子水田 陽子安田 睦子寺山 義泰長澤 薫下条 正子木下 博之薬師寺 史厚
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2010 年 53 巻 12 号 p. 823-828

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抄録
[目的]Hct補正機能を有する簡易血糖測定器(BS機器)の精度を評価する際にHctを人工的に調整した検体を使用することの妥当性について検討した.[方法]Hctを人工的に調整した検体と多血を含む臨床検体の全血血糖をGOD電極型BS機器で測定するともに,それらの検体の血漿血糖を全自動分析装置で測定し両者の乖離を検討した.[結果]臨床検体の測定値はBS機器と全自動分析装置での結果に乖離は無かったが,Hctを人工的に調整した検体ではHctの上昇に従いBS機器で測定した全血血糖は全自動分析装置で測定した血漿血糖より低値となった.[結論]人工的Hct調整検体はBS機器の精度評価には不適切であり,BS機器の精度評価は臨床検体で行うことが必要と考えられた.
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© 2010 一般社団法人 日本糖尿病学会
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