糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
症例報告
食事・運動療法による減量にてインスリン抵抗性が著明に改善したCharcot-Marie-Tooth病合併肥満糖尿病の1例
金森 岳広竹下 有美枝御簾 博文加藤 健一郎太田 嗣人金子 周一篁 俊成
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 55 巻 10 号 p. 803-808

詳細
抄録

症例はCMT病の48歳,男性.45歳時から口渇・多飲多尿を認め,46歳時の検診でHbA1c 10.8 %(NGSP)を認めた.当科に第一回入院時,身体所見で内臓脂肪型肥満(体重84 kg, BMI 28.1 kg/m2,腹囲101 cm)と四肢遠位部の筋萎縮を認め,高インスリン正常血糖クランプ検査はMCR 4.38 ml/kg/分と末梢組織における高度のインスリン抵抗性を示した.また,肝生検にて肝線維化を伴う非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と診断した.食事・運動療法とインスリン療法を開始し,1年半の外来経過中に19.6 kgの減量(体重64.4 kg, BMI 21.8 kg/m2,腹囲75.5 cm)に成功し,HbA1c 5 %台の良好な血糖コントロールを得た.第二回入院時にMCR 6.86 ml/kg/分とインスリン抵抗性の著明な改善を認め,肝生検ではNAFLDの所見が消失した.CMT病合併糖尿病も肥満を伴う症例では,食事・運動療法による減量がインスリン抵抗性の改善と血糖コントロールに有効と考えられた.

著者関連情報
© 2012 一般社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top