糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
症例報告
外科的切除後,血清chromogranin A濃度が上昇したインスリノーマの1例
中野 温子竹田 章彦髙田 絵美纐纈 優子木股 邦恵川口 晴菜門澤 秀一小松原 隆司藤本 康二市川 一仁藤盛 孝博
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 61 巻 1 号 p. 15-21

詳細
抄録

症例は29歳,女性,主訴は意識障害.空腹時の意識障害を主訴に来院し,インスリノーマの診断で膵体尾部切除術を受けた.術前後で血清chromogranin A濃度を測定・比較したところ,術直後と術後7.5ヶ月後には術前と比較して高値を認めた.インスリノーマの転移や再発を疑い精査するも,それらを示唆する所見を認めなかった.これまでの報告によると,神経内分泌腫瘍において血清chromogranin A濃度は診断・治療経過のバイオマーカーとなりうるが,インスリノーマはその限りではない.本症例においても同様の結果であり,インスリノーマでは低血糖症状の確認や画像のフォローアップが腫瘍の転移や再発の発見に重要であると考えた.

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top