2021 年 64 巻 7 号 p. 381-394
本研究の目的は,糖尿病患者におけるエンドオブライフケアの看護援助指針の開発を目指して文献検討を行い,ケアの方向性をあきらかにすることである.国内外33件の糖尿病患者のエンドオブライフケアに関する文献を精読し,「糖尿病患者におけるエンドオブライフケアの方向性」を示す内容を抽出した.元ラベルを作成し,質的統合法(KJ法)で分析をした.その結果,6つのシンボルマークが導き出され,【最期まで良好な身体を保つための支援:薬剤調整とフットケアによる急性合併症の回避】と【最期まで平和と尊厳を保つための支援:患者と家族のニーズに重点をおいた症状コントロールとエンパワメントアプローチ】が両輪となる理論構造が導き出された.糖尿病の専門家は,身体的な支援を最期まで継続し続けること,心理,社会,スピリチュアルな支援として,患者と家族の声に耳を傾け,ニーズを記録し,共有し,ケアをし続けることが強調された.