糖尿病
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軽症糖尿病における脂質代謝
食事療法による血清および皮下脂肪組織の脂肪酸代謝への影響
都島 基夫中村 治雄五島 雄一郎松岡 健平田中 剛二北村 信一堀内 光
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1975 年 18 巻 6 号 p. 625-632

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抄録

軽症肥満糖尿病5例と軽症非肥満糖尿病5例に食事療法を実施し, 治療前, 2週後, 3ヵ月後に血糖, 血清脂質および血清と皮下脂肪の脂肪酸構成を測定し, 同時にGTT時のIRI, FFAの変動をみた.治療後, 肥満型では13%の体重減少と, FBS114mg%より96mg%, CH238mg%より195mg%, TGは124mg%より65mg%と低下し, GTT時のFFAは著明に低下し, IRIは軽度の増加を示した.脂肪組織の脂肪酸構成はC16: 0の軽度の増加傾向を, 血清TG分画ではC18: 1, C16: 0の軽度の減少, C18: 2の増加傾向を示し, CHester分画でもほぼ同様の傾向がみられた.非肥満型では, FBSが135mg%から100mg%に減少したが, CHおよびTG値には, 2週後に減少をみたが, 3ヵ月後にはほぼ前値に近い値を示し, 軽度の高CH値を示している.治療後, GTT時のFFAはわずか低下する傾向をみたが, IRIは増加傾向を示した.脂肪組織の脂肪酸構成では著しい変化はみられず, TG, FFA, CH-esterにおいて, 肥満型の改善時にみられた変化はみられなかった.
以上より, 軽症糖尿病者の血清TGが高値を示すものは, グルコースおよびFFA増加による合成亢進が主体となっており, また, 肥満型では非肥満型より, よりdynamicな状態にあると考えられる。非肥満型の糖尿病を有するIIIa型高脂血症は, 血糖の改善をみても, 脂質の改善が容易にみられないことが示された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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