糖尿病
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Gas-Liquid Chromatographyによる血漿スルフォニル尿素剤濃度の測定
(2) 臨床応用
市川 勝之赤沼 安夫小坂 樹徳
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1978 年 21 巻 8 号 p. 751-755

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抄録
スルフオニル尿素 (SU) 剤内服者83名の血漿SUレベルをガスクロマトグラフィにより測定した.
(1) 早朝空腹時のSUレベル (基礎SUレベル) と経口投与量との相関係数は, トルブタマイド (TB): 0.64 (n=53), クロールプロパマイド (CP): 0.61 (n=30) で, ともに有意 (P<0.01) であった。同一投与量に対する個人差は特にCPの方が大であった. (2) CPO.59内服者10名の基礎CPレベルと肥満度との問に有意の負相関 (r=-0.81, P<0.05) を認めたが, TBではこの傾向は認められなかった。(3) 基礎インスリンレベルと基礎SUレベルとの間に有意の相関関係は認めなかった. (4) SU剤の投与期間が5年未満の者と, 10年以上の者とでは, 投与量, 基礎SUレベルの関係に差は認められなかった. (5) 1ヵ月の間に基礎TBレベルを2回測定した27名について基礎TBレベルの高い時にBSの低下している者と, そうでない者とに分けると, TB1。09投与者には前者が多く, TB0.259投与者では後者が多く, 0.59投与者はその中間型を示した. (6) 生体が2コンパートメント系に従うと仮定すると, TB, CPの代謝排泄速度に差があること, アルブミンとの結合結数に差があることなどから上記の事実が薬物動態の面からある程度説明可能であった.
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© 社団法人 日本糖尿病学会
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