糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
インスリン既治療糖尿病患者における精製ブタインスリン製剤から半合成ヒトインスリン製剤への切り換え時のインスリン需要量とコントロール状態の変動について
二重盲検試験の予備検討
松田 文子金澤 康徳田坂 仁正赤沼 安夫葛谷 健平田 幸正小坂 樹徳
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 27 巻 sppl1 号 p. 25-30

詳細
抄録

インスリン既治療糖尿病患者を対象とした半合成ヒトインスリン (HMI) と精製ブタインスリン (PMI) の二重盲検試験の安全性についての予備試験を行った. I型2例, II型5例の糖尿病患者に対し, PMIによる治療からHMIへ変更し6~8週観察した. インスリン使用量は17.7±2.1単位 (PMI), 20.0±9.5単位 (HMI), 空腹時血糖値107.4±83.7mg/dl (P), 121.2±72.8mg/dl (H), HbA1は9.9±1.0%(P), 8.0±1.2%(H) であり, 両剤使用時において有意な変動はみられなかった. 精製ブタインスリンの治療からヒトインスリン製剤への切り換えに伴うインスリン需要量の変動, 代謝状態の変動はそれほど大きくなく, HMI製剤は対照薬剤PMIとほぼ等力価と考えて二重盲検治験を開始しても安全であると考えられる.

著者関連情報
© 社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top