糖尿病
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Gliclazideの血糖降下作用
Glibenclamideとの比較
間島 毅彦北沢 明人北岡 治子池上 陽一磯谷 治彦坂根 貞樹馬嶋 素子三木 京子高松 順太茂在 敏司
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1987 年 30 巻 2 号 p. 141-145

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抄録

GliclazideとGlibenclamideの等価川量は, 前者40mgに対し後者は1.25mgとも2.5mgともいわれている.著者らはGlibenclamldeからliclazideへ投薬を変更し, その際の血糖コントロール状態の変動を観察した.Clibenclamide2.5~5.0mg朝1回の投与で4か月以上安定した血糖コントロール状態にあるII型糖尿病患者20例を対象とし, Glibenclamide2.5mgに対しGlzclazide40mgに相当するよう薬剤を変更し, その前後をとおし8か月間にわたり1か月ごとに空腹時血糖 (FPG), HbA1およびHbA1cの変動を観察した.
(1) FPGはGlibenclamide投与中平均146±21mg/dlであったが, Gliclazideに変更1か月後157±32mg/dl, 4か月後には170±31mg/dlといずれも有意に上昇 (p<0.05, p<0.01) した.
(2) 一方HbAiとHbA1cはGlibenclamide投与中それぞれ平均10.6±1.1%, 7.1±1.0%, Gliclazideに変更4か月後でもそれぞれ10.5±1.5%, 7.0±1.2%で, 全経過を通じて明らかな変動を示さなかった.
(3) GlibenrlamideよりGliclazideに投薬を変更することにより, 20例中9例にFPGの上昇が認められたが, HbA1cが上昇したのは20例中4例に過ぎず, 逆に5例でHbA1cが下降した.
以上より両薬剤の血糖降下作用には何らかの違いがあることが示唆された.またHbAlcに変動がみられなかったことから, Gliclazide40mgの等価用量はGlibenclamide2.5mgに相当すると考えられた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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