糖尿病
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自然発症糖尿病LETLラットに関する研究 (第3報)
Cyclophosphamide誘発糖尿病に対するNicotinamideの予防効果
根本 昌実森 豊横山 淳一西村 正彦池田 義雄
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キーワード: LETLラット
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1994 年 37 巻 4 号 p. 255-259

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抄録

自然発症I型糖尿病LETLラットのCyclophosphamide (CY) 誘発糖尿病に対するNicotinamide (NA) の発症予防効果を検討した.生後15~20週齢雄性未発症LETLラットを3群に分けた.I群: 生食水5mlを腹腔内投与したLETLラット群 (n=25).II群: CY (100mg/kg) を2回腹腔内投与したLETLラット群 (n=33).III群: CY投与とNA (500mg/kg) を連日皮下注射したLETLラット群 (n=19).IV群: CY投与した糖尿病非発症系LETOラット群 (n=11).10週後の各群の累積糖尿病発症率は8.0%, 36.4%, 15.8%, 0%であり, CY投与によりLETLラットの糖尿病発症は有意に促進され, CY誘発糖尿病はNA投与により有意に抑制された.I群の未発症LETLラットではラ氏島炎は認められなかったが, I, II, III群の糖尿病発症LETLラットとII, III群未発症LETLラットの一部にラ氏島炎が観察された.大量のNA投与はCY投与で誘導されたラ氏島炎の出現率と程度を抑制しないにもかかわらず糖尿病発症を抑制した.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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