糖尿病
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30歳未満発症IDDM患者の生命予後に関する研究
丸山 明子横山 宏樹青木 かを里内潟 安子大森 安恵
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キーワード: IDDM, 死亡率, 予後, 標準化死亡比
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1994 年 37 巻 8 号 p. 599-606

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抄録
東京女子医大糖尿病センターを1963年以降1990年12月31日までに初診し, 受診登録されている30歳未満発症のIDDM患者のうち1年以上当センターに通院した509名を対象に生命予後調査を行った.1992年7月1日現在509名を追跡し, 488名 (95.9%, 3518person-years) の生存状況を明らかにした.その平均発症年齢は14歳で調査時までの平均罹病期間は13年であった.IDDMの定義は急激な糖尿病症状で発症し, 診断後1カ月で空腹時血清Cペプチドが0.6ng/mml以下と内因性インスリン分泌の低下をきたし, 発症時より0.5U/kg/day以上のインスリン治療を必要としたものとした.全死亡者は488名中11名 (2.3%) で, 標準化死亡比 (SMR) は一般人口の死亡率を1とすると2.8であった.死亡原因は腎死4例 (36.4%), 心筋梗塞は2例 (18.2%), 糖尿病性ケトアシドーシス1例 (9%), 不明4例 (36.4%) であった.不明4例のうち1例は膵腎同時移植後術後経過は良好であったが手術10日目に死亡他の2例は突然死が推測された.残り1例については全く不明であった.
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© 社団法人 日本糖尿病学会
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