糖尿病
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糖尿病患者における知覚神経障害の定量的指標としての角膜知覚
東堂 龍平東堂 なをみ篠田 知子森田 昌子石田 成伸桂 賢古川 俊之山崎 義光河盛 隆造鎌田 武信
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1996 年 39 巻 2 号 p. 123-128

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抄録

Cochet & Bonnet角膜知覚計を用いて角膜知覚を測定し, 糖尿病性知覚神経障害の定量的指標としての有用性を検討した. 健常者68名 (27~87歳), NIDDM 167名 (28~65歳) の角膜知覚を測定した. 健常者の正常値は50mm以上で, 70歳台より加齢による低下を認め, NIDDMでは40~60歳台に健常者より有意な低下を認めた. NIDDMにて, 角膜知覚の低下と知覚異常の自覚症状, 心電図R-R間隔CV値, 尿アルブミン, 網膜症, 罹病期間および治療法 (インスリン群) とに有意な関連を認めた. 年齢, 性をマッチさせた角膜知覚正常群と低下群にて, 運動および知覚神経伝導速度は低下群に有意の低下を認めた. 神経伝導速度以外の因子を重回帰分析し, 網膜症および知覚異常の自覚症状は角膜知覚の低下と有意な関連を認めた.
Cochet & Bonnet角膜知覚計を用いて測定した角膜知覚は, 糖尿病性知覚神経障害の簡便かつ定量的な指標として有用であることを示した.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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