糖尿病
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血中CA19-9異常高値が血糖コントロール改善により低下したインスリン非依存型糖尿病の2例
高山 真一郎高橋 良当伊藤 威之大森 安恵
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1997 年 40 巻 1 号 p. 29-33

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抄録
CA19-9は膵胆道系悪性腫瘍で上昇するが, 非癌患者でも高値を示すことがある. 血中CA19-9値が著明に高値でLewis血液型抗原はa+, b-を示し, その後血糖コントロールの改善とともに血中CA19-9が低下したインスリン非依存型糖尿病の2例を経験した.症例1: 46歳女性.糖尿病経過中に血糖コントロールHbA1c 12.2%と不良となり同時に血中CA19-9も462 U/mlと高値を示した. Lewis血液型抗原はa+, b-で, 悪性疾患の合併は認めず, その後HbA1c 7.8%と血糖コントロール改善とともに血中CA19-9は41 U/mlまで低下した. 症例2: 62歳女性.糖尿病経過中HbA1c 9.8%と不良となり同時に血中CA19-9も240 U/mlと高値を示した. Lewis血液型抗原はa+, b-で, その後血糖コントロール改善とともに血中CA19-9は正常化した.症例1のように血中CA19-9が著明に高値を示し, 血糖コントロールの改善とともに低下した報告例はなく, 高血糖による影響が示唆された.
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© 社団法人 日本糖尿病学会
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