糖尿病
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インスリン非依存型糖尿病患者における身体トレーニングの血中レプチンに及ぼす影響
石井 伴房山北 哲也川崎 浩一長谷川 隆典山本 恒彦佐藤 利彦田中 史朗藤井 暁
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1998 年 41 巻 7 号 p. 513-517

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抄録

NIDDM患者を対象に身体トレーニングの血清レプチンに及ぼす効果を検討した. 対象は運動習慣のない肥満NIDDM患者19名 (運動群9名, 非運動群10名) である. 両群とも入院の上, 食事療法を行い, 運動群ではVO2max50%の速歩または自転車エルゴメーターによる運動を少なくとも週5日間, 4~6週間実施した. 観察期間前には血清レプチン濃度, 体組成 (DEXA) などに両群間で差は認められなかった. 観察期間前の血清レプチン濃度と体脂肪率 (r=0.85, p<0.01), 体脂肪量 (r=0.68, p<0.01) の間には正の相関が認められた. 観察期間後血清レプチン濃度は両群で有意に低下し, 血清レプチン濃度を体脂肪率, 体脂肪量で補正した値は運動群ではそれぞれ0.14±0.03ng/ml, 0.23±0.06ng/ml/kgであり, 非運動群の0.20±0.06ng/ml, 0.33±0.11ng/ml/kgに比べ有意に低値を示した (それぞれp<0.05). 観察期間後には両群ともBMI, 体脂肪率, 体脂肪量は有意に改善した. 以上, 肥満NIDDM患者において有酸素運動の継続は血清レプチンを低下させた.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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