抄録
HbA1cをHPLC法で測定する際, HbA1c分画の前に#C分画が検出される検体が存在するが, #C分画の検出頻度や背景因子, 分画の有無による血糖コントロール指標としての信頼性などに関しては明らかにされていない.#C分画が検出された検体 (C+群) n=220と検出されない検体 (C-群) n=97を対象として, 臨床検査値および免疫学的方法であるラテックス凝集 (LA) 法HbA1c, グリコアルブミン (GA) を測定し, #C分画とこれらの検査値の関連について検討した. その結果, C+群では透析例が有意に多く含まれ, BUN, クレアチニンが有意に高値で, AST, ALT, アルブミン, ヘモグロビンが有意に低値であった.さらに, C+群ではHbA1c値がLA法よりHPLC法で平均0.5%高値に測定され (p<0.001), 両法によるHbA1c測定値の乖離と関連した因子はBUN, クレアチニンであった.また, C+群ではHPLC法, LA法ともにGAとの相関が弱くなることが認められた.