糖尿病
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HPLC法によるHbA1c測定で認められる#C分画の検討
田中 康富岩崎 直子土屋 真美鶴岡 由美子菊地 ひとみ富岡 光枝児玉 公二馬場園 哲也岩本 安彦
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キーワード: HPLC法, C分画, LA法, HbA1c, 腎不全
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2003 年 46 巻 1 号 p. 47-52

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抄録
HbA1cをHPLC法で測定する際, HbA1c分画の前に#C分画が検出される検体が存在するが, #C分画の検出頻度や背景因子, 分画の有無による血糖コントロール指標としての信頼性などに関しては明らかにされていない.#C分画が検出された検体 (C+群) n=220と検出されない検体 (C-群) n=97を対象として, 臨床検査値および免疫学的方法であるラテックス凝集 (LA) 法HbA1c, グリコアルブミン (GA) を測定し, #C分画とこれらの検査値の関連について検討した. その結果, C+群では透析例が有意に多く含まれ, BUN, クレアチニンが有意に高値で, AST, ALT, アルブミン, ヘモグロビンが有意に低値であった.さらに, C+群ではHbA1c値がLA法よりHPLC法で平均0.5%高値に測定され (p<0.001), 両法によるHbA1c測定値の乖離と関連した因子はBUN, クレアチニンであった.また, C+群ではHPLC法, LA法ともにGAとの相関が弱くなることが認められた.
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© 社団法人 日本糖尿病学会
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