観光学評論
Online ISSN : 2434-0154
Print ISSN : 2187-6649
観光のつながりの社会学
もう一つの大衆観光について
高岡 文章
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 7 巻 1 号 p. 37-49

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抄録

観光研究は、近代以前の旅やポストモダン以降のもう一つの観光を善きものとして、対照的に近代の大衆観光を悪しきものとして扱ってきた。その結果、私たちは大衆観光の真相を十全に分析し損ねてきた。こんにちにおいて、観光の大半は団体旅行ではなく個人旅行の形態をとる。だからといってそれは社会から孤立しておこなわれているわけでもない。観光者はひとり(alone)でありつつ、なんらかの社会性に編み込まれている(together)。観光におけるこのようなaloneとtogetherはどのように関係しているのだろう。現代的な状況における観光の社会性や大衆性とはいかなるものだろうか。本稿は「観光のつながり」の社会学的研究をとおし、大衆観光/もう一つの観光の二項対立を越えて「もう一つの大衆観光」の探究を試みたい。

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© 2019 観光学術学会
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