日本トキシコロジー学会学術年会
第32回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-43
会議情報
一般演題(ポスター)
Flutamideを用いた子宮内・経乳汁暴露における出生仔への離乳後継続投与、非投与による影響の比較
*野田 修志室井 貴子高倉 サオリ高月 峰夫山崎 寛治
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
Flutamide (FLT)を子宮内・経乳汁暴露した出生仔への離乳後継続投与の有用性について検討することを目的とし、雌Crj: CD (SD) IGSラットに0.4、2、10 mg/kgのFLTを妊娠6から分娩後20日まで経口投与、得られた雄出生仔のうち各腹約半数に母動物と同用量のFLTを投与し、離乳後継続投与群、離乳後非投与群でみられた影響を比較した。包皮分離検査では、継続投与の10 mg/kg群で包皮分離は観察されず、0.4、2mg/kg群で分離日齢が遅延した。非投与群では10 mg/kg群で包皮分離が完了しなかったが、0.4、2 mg/kg群で異常はみられなかった。器官重量では、継続投与2 mg/kg以上の群で副生殖腺重量減少、10 mg/kg群で精巣重量減少、下垂体重量増加、非投与10 mg/kg群で精巣、副生殖腺重量減少がみられた。剖検では継続投与群、非投与群ともに2 mg/kg以上で外性器、内部生殖器の形態異常がみられた。ホルモン測定では継続投与10 mg/kg群でテストステロンの高値がみられ、非投与群では異常はみられなかった。継続投与群、非投与群の同用量群間における比較では、包皮分離日齢において0.4、2 mg/kg群で、器官重量では2 mg/kg以上の群で副生殖腺重量、10 mg/kg群で下垂体重量、ホルモン測定では10 mg/kg群でLH、テストステロン値に有意な差がみられた。以上の結果、子宮内・経乳汁暴露後の出生仔への離乳後継続投与は、内分泌かく乱作用が次世代へ及ぼす影響を詳細に検討するにあたって有用な方法であることが示唆された。一方、10 mg/kg群の雌出生仔でcleft phallusがみられ、FLTの子宮内・系乳汁曝露によって雌出生仔の外部生殖器に形態異常が誘導されることが明らかとなった。
著者関連情報
© 2005 日本毒性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top