日本トキシコロジー学会学術年会
第32回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-57
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一般演題(ポスター)
L-Buthionine (S,R)-sulfoximineを投与したラット肝臓における遺伝子発現解析 - RG U34AおよびRAE 230Aアレイのデータ比較解析法の検討 -
*清沢 直樹伊藤 和美渡辺 恭子新野 訓代上堀 美幸矢本 敬真鍋 淳松沼 尚史
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抄録
【目的】我々は第31回学術年会において,GeneChip®マイクロアレイ(RG U34Aアレイ,Affymetrix, Inc.)を用いた,肝臓グルタチオン欠乏を評価可能なプローブセットの選抜に関して報告した.本発表ではRAE230Aアレイ(Affymetrix, Inc)から同様のプローブセットを選抜し,両アレイのデータ解析結果を比較することを目的とした.【方法】L-buthionine (S,R)-sulfoximine(BSO),acetaminophen(APAP),butylated hydroxyanisole(BHA)をそれぞれ投与した雄性F344ラット肝臓に関して,RE230Aアレイを用いてマイクロアレイ解析を行い,mRNAレベルが肝臓グルタチオン含量に統計学的に有意に逆相関した遺伝子プローブ(グルタチオン欠乏評価プローブ)を選抜した.【結果および考察】RAE230Aアレイ版のグルタチオン欠乏評価プローブとして192個が選抜された.(RG U34Aアレイ版では69個.Biochem Pharmacol 68(7):1465-75).主成分分析の結果,対照群,BSO群,APAP群,BHA群の各クラスターは明確に分離されたことから,RAE230Aアレイデータに関してもRG U34Aのデータ同様,マイクロアレイのデータから肝臓グルタチオン欠乏の評価が可能と考えられた.公共あるいは市販のトキシコゲノミクスデータベース充実化は近年急速に進んでいるものの,異なる型のアレイデータ混在が解析の障壁となっている.本試験では,アレイ間でデータが一致する遺伝子(メタロチオネインなど)と,一致しない遺伝子(CD14など)が混在した.こうしたデータの非整合性に対処するために,新旧アレイ間のデータ整合性を高めるプローブを選抜する方法を検討したので,併せて報告する予定である.
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© 2005 日本毒性学会
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