日本トキシコロジー学会学術年会
第33回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-065
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発がん性
変異および非変異発がん物質の28日間反復投与によるラット肝タンパク質のプロテオーム解析
*山中 秀徳美濃部 安史矢可部 芳州関島 勝斎藤 幸一白井 智之
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抄録
変異発がん物質、非変異発がん物質ならびに変異非発がん物質、非変異発がん物質の4種類の物質群について28日間反復投与後のラット肝タンパク質の定量的プロテオミクス解析を2D-Differential Gel Electrophoresis(2D-DIGE)法を用いて行った。変異原性、発がん性に関する物質の分類はUS National Toxicology Program(NTP)やCarcinogenic Potency Data Base (CPDB)の情報をもとに動物種、発がん部位により3種類に分類し、各々の4群の中で各群に特徴的な発現タンパク質を統計的に解析した。また、ラット肝の2-DデータベースをESI QTOF MSを用いて作成し、各物質群に特徴的な発現変動を示すタンパク質を特定した。例として、変異発がん物質に特徴的な変動を示すタンパク質としてLaminA、非変異発がん物質に特徴的な変動を示すタンパク質としてDiphor-1などが特定された。さらに、作成した2-Dデータベースを用いて定量プロテオミクスの新規な解析手法として、翻訳後修飾の定量評価を行う上で、二次元電気泳動で検出される同一タンパク質由来のスポット間の増減バランスを指標とすることを試みた。この翻訳後修飾変化の定量評価値と発がん物質の与える影響との関係を解析し、発がん性予測に使用したところ単純なスポットの増減値を使用した場合に比較して予測率が向上することが確認された。
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© 2006 日本毒性学会
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