日本トキシコロジー学会学術年会
第33回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-182
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試験法:in vitro・代替法
アンジオテンシンII受容体拮抗薬テルミサルタンおよびグルクロナイドの肝輸送過程を決定するトランスポーターの解析
石黒 直樹*前田 和哉五十嵐 隆杉山 雄一
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抄録
【目的】アンジオテンシンII受容体拮抗薬テルミサルタン(Tel)は、経口投与後、一部が腸管でグルクロン抱合をうけ、未変化体およびグルクロン酸抱合体(Tel-glu)が肝臓に選択的に集積する。肝臓に取り込まれた未変化体はグルクロン酸抱合をうけ、Tel-gluとして胆汁中に排泄される。TelおよびTel-gluの肝取り込み・排泄に関与するトランスポーターの同定及び寄与率の解析は本薬剤の薬効・副作用を考える上で重要であると考えられ、本研究において解析を行った。
【方法】薬物輸送活性は、各種ヒトOATP類を安定発現させたHEK293細胞、OATP1B1/OATP1B3とMRP2/MDR1/BCRPの各取り込み・排泄両トランスポーターを共発現したMDCKII細胞及び複数のドナー由来のヒト凍結肝細胞を用いて、薬物の輸送量を測定することにより評価した。
【結果および考察】TelおよびTel-gluのOATP1B3発現細胞への取り込みは対照細胞と比べ有意に高かった。TelおよびTel-gluはヒト肝細胞に時間、濃度依存的に取り込まれ、その取り込みはOATP1B1選択的阻害剤estrone-3-sulfateで阻害されなかった。従って、TelおよびTel-gluの肝取り込みに主としてOATP1B3が関与していることが考えられた。また、Tel-gluの胆汁排泄に関わるトランスポーターを同定するため、取り込み・排泄両トランスポーター共発現系を用いた解析を行った。その結果、OATP1B3/MRP2、OATP1B3/BCRP、OATP1B1/MRP2共発現系で、Tel-gluの基底膜側から頂端膜側への方向性のある経細胞輸送が観察できた。よって、Tel-gluの胆汁排泄にMRP2、BCRPのトランスポーターが寄与する可能性が示唆された。
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© 2006 日本毒性学会
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