抄録
安全性薬理試験(心血管系)で汎用されるテレメトリー法による循環器評価については,すでに多くの安全性評価機関で実施されており,その実験法は確立されている.しかし,薬物誘発性の不整脈が発現した場合,その正確な解析には複数の誘導による評価が必要となることから,我々はこれまでホルター心電図計を併用して評価してきた.これまでの評価の中で,実験用のイヌ及びサルには少なからず不整脈がみられることが分かっており,薬物誘発性の不整脈か否かの判断には個体における薬物投与前後の発現率に加えてその動物種,ブリーダー毎の背景データが重要な要素となる.
今回,我々は,ホルター心電図計を用いて解析した5年間のイヌ及びサルの不整脈解析結果を集計し,日内における発現状況,ブリーダーにおける不整脈発現率の差について,背景データをまとめたのでここに報告する.