日本トキシコロジー学会学術年会
第35回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: S1-2
会議情報
毒性オミクス[共催:毒性オミクスフォーラム]
薬剤誘発性の腎障害評価におけるトキシコゲノミクスの有用性とその応用
*上原 健城丸山 敏之馬場 隆彦加藤 育雄
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抄録
薬剤誘発性腎障害は,創薬において最も注意すべき副作用の一つである.従って,創薬の現場に於いて,より安全な医薬品をより早く創製するという製薬企業の社会的使命のもと,創薬研究の初期段階に,開発候補化合物の腎障害誘発リスクをいち早く見極め,腎毒性リスクのない化合物を効率的に選び出すことが肝要である.一方,近年,トキシコゲノミクスによる網羅的遺伝子発現解析の手法が発達し,本手法を用いた腎障害,特に尿細管障害におけるバイオマーカー遺伝子の探索が積極的に行われたことにより,従来型の毒性評価では困難であった腎毒性の早期予測を可能とするバイオマーカー候補遺伝子が多数見出されてきている.このことは,我々が,これらの研究成果を医薬品の安全性評価に繋げるための条件が整ってきたことを示している.当社では,現在,薬剤誘発性腎障害の評価に,トキシコゲノミクスによる網羅的遺伝子発現解析を応用するための基礎検討を実施している.本シンポジウムでは,薬剤誘発性の腎障害評価におけるトキシコゲノミクスについて近年の知見を交えて概説するとともに,当社での開発候補化合物の探索毒性評価における活用事例についても言及する予定である.
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© 2008 日本毒性学会
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